【連載】不動産投資の考え方 Vol.015 「自主管理」と「管理委託」、どちらを選ぶべきか
連載第十五回は、『自主管理』と『管理委託』、どちらを選ぶべきかについて解説します。
「自主管理」と「管理委託」、どちらを選ぶべきか?

大半の管理業務は、投資家自身で行うことができます。いわゆる「自主管理」を考える場合、「向き不向き」と「費用対効果」を検討することが大切です。
自主管理を検討するオーナーへ確認しているのは、たとえば夜に入居者から「水道が出ない」と緊急連絡を受けて面倒くさいと考えるかどうかです。入居者からのクレームは、平日、年末年始など時期や時間関係なしに入ります。連絡があれば、必ず対応しなければなりません。特に「水道が出ない」といった緊急事態には、スピードが求められます。なかには、極めて此細なものや、不可抗力のトラブルもあるでしょう。それでも「何かを言いたい」という入居者は必ずいます。そういう人々と向き合っていく覚悟があるかどうか、ということなのです。
これはオーナー自身の向き不向き、そして個別入居者との相性の良し悪しもあります。
人と会話したり、交流するのが好きな人や得意な人であれば、趣味的に自主管理に取り組めます。
しかし、人と人とのやり取りですから、ときに感情的になることもあるでしょうし、いろいろな事例を目の当たりにしていると「当事者同士」が直接話し合わないほうが無難だと感じます。
コストを払ってプロに管理を任せるということは、それ相応のメリットがあるということです。何よりオーナーにとって余計な心労の種になりますし、第三者が間に入り、伝間・した内容に基づいて業務を処理していくことが、無理なく負担の少ないやり方です。入居者もオーナーと一度でもやり取りすると、クレームを入れやすい心理が働くのか、どんどん要求がエスカレートします。
オーナーは物件を貸してお金をもらう立場のため、不条理であっても顧客である入居者に強く出ることは難しいものです。また、オーナーが最初はよかれと思って親切心でやってあげたことが、後にこじれることもあります。直接管理することで入居者の獲得、満足度の向上を意識しているオーナーもいますが、それが裏目に出ることもあるのです。
今後物件を買い増して規模拡大を考えている人ほど、自主管理は行わず、管理委託をすることをお勧めします。管理「業務」といった日々の雑事ではなく、投資家にしかできない「判断」に注力すべきです。
そして、管理委託をするなら、なるべく同じ会社に依頼するほうがベターです。圧倒的に楽で効率的です。物件が10戸、15戸と増え、それぞれ別々の管理会社に委託すると、連絡だけでも多くの時間を取られることになるからです。
ところで「戸建てはほったらかしでOKだから、自主管理と相性がいい」という意見もありますが、細かな修繕依頼やクレームなど、対応すべきところは必ず出てくるものです。
従って、しかるべき管理会社に委託することを強くお勧めします。
選ぶべきは、購入から管理までワンストップで行う不動産会社!
実は、なごみのような収益物件専門の不動産売買仲介会社で、管理業務まで引き受けているところは多くありません。というのも、先述の通り管理業務は多岐にわたり、人手が必要だからです。管理業務は同じ不動産業でも売買業務とはまったく別物であるため、専門スタッフを揃える必要があります。思いつきで管理業務をやろうとしても、赤字になってしまう可能性が高いのです。
そんな手間のかかる管理業務を行っている背景には、なごみの経営者自身が不動産投資家として貸物件を所有していた経験があるからなのです。
なごみの経営者は自分の物件の管理を、当初は自主管理し、入居者募集のみ複数の賃貸仲介会社に任せていました。ところが、コミュニケーション能力もスピード感もなく、なかなか満足のいく会社がなかったのです。彼らは地主のような所有戸数の多いオーナーに照準を合わせた管理をしているため、新規で戸数が少ない物件はなかなか対応してくれなかったという経験があります。実際に、多少の空室はあって当たり前とでもいわんばかりで、気にも留めていませんでした。
特に郊外や田舎になるほどその傾向は顕著で、地主の求める基準と投資家の求める基準が大きく違うことを痛感しました。向こうも商売ですから仕方がない部分もありますが、投資家としては弱りました。
また、自主管理で運営しているオーナーに話を聞いてみると「管理会社に不満があったから」という理由で自主管理を選んだ人もいます。
そのような経験があって「投資家目線で満足する管理会社がないなら、自分たちでつくろう」と、まず自社物件の入居付けから始めたのです。管理部門をもったことで物件の購入から運営まで一本化し、顧客にメリットを提供できるようになりました。これは、なごみの大きな強みとなっています。
売買仲介業務と管理業務を一体化するメリットは、他にもいくつかあります。
売買と管理スタッフが連携することで、「物件売買の精算時に賃料何月分までを精算するか」といった細かい打ち合わせをして手続きを行えるようになったのです。レントロールの賃料が正確かどうか確認したり、そこで滞納が発覚したら第三者機関による回収を提案することができています。その際に空室があれば、必要に応じてリフォーム手配、即入居可であれば、すぐに写真を撮って各種ポータルサイトに迅速に掲載するようにできます。
こうすることで、オーナーにとっての手間や心労を軽減することに成功しています。
そして、物件売買の決済前段階から「管理会社が変更になる」ことをアナウンスする準備を進めます。入居状況確認を進めておき、決済後に入金管理を始められる体制にしています。オーナーチェンジ物件ではたまにあることですが「入居者が前のオーナーに入金してしまう」ことがないよう、スムーズな移行を心掛けています。オーナーチェンジの際には、トラブルを減らすために入居者へ電話をして「オーナーが代わりました」というご挨拶の連絡をすることもあります。やはり、手紙だけではきちんと確認しない人がいるので、送金間違いが起こりやすいのです。
提案できる幅が広く、オーナー負担の少ない会社を選ぶことが、成功のカギともいえるでしょう。
次回は、満室経営を実現させるには何をするべきか?についてご案内します。