【連載】不動産投資の考え方 Vol.012 借り換えと金利交渉
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連載第十二回は、借り換えや金利交渉、有利な融資の受け方について解説いたします。

マイナス金利政策によってもたらされた空前の低金利時代、「金利交渉を検討している」、または「他行から借り換えの提案を受けた」というサラリーマン投資家もいるかと思います。交渉が成功するだけで収益アップできる金利交渉や借り換えは、不動産投資には父かせないものです。
初心者向けに簡単な説明をすると、借り換えとは、現在借りている金融機関からより良い融資条件を提示する金融機関へ変えることです。もともと借りていた金融機関に全額返済し、別の金融機関に対して借り入れを起こすことになるため、融資審査は必要になり、借り換えのための手数料もかかります。
一方で金利交渉は、現在借りている金融機関に対して「金利を引き下げてほしい」と交渉することです。融資条件が変わるだけですから、借り換えと違って審査は必要ありませんし、大きなコストもかかりません。
ただし金利交渉は、できる銀行とできない銀行があります。政府系金融機関は固定金利のため、交渉の余地はありません。それ以外の金融機関であれば申し出をしてみることは自由ですし、特にコストもかかりません。まずは金利交渉をしてみて、うまくいかなかった場合に借り換えを検討するといいでしょう。ライバル金融機関から借り換え提案があったことを伝えると、金利の引き下げに応じてくれる銀行もあります。
金利交渉を行うにしても、借り換えを検討するにしても、オーナーがやるべきことは黒字経営です。空室が多いのであれば、まずは埋めることです。空室を解消して収支を改善する。収支を改善してから「金利交渉」をするのがひとつのやり方です。最低でも1年は経営して黒字の決算書を用意し、利益率が低くても家賃保証が付いていればいいという銀行もあれば、だめな銀行もあります。そこは見極める必要があります。
また、新規融資と同様に金融機関によって物件の評価は変わります。耐用年数や構造の関係で融資を受けられない金融機関もあるので、あらかじめ確認が必要です。
一部の地方銀行では、広い営業エリアで融資を行っていますが、基本的には支店のある場所が営業エリアになります。たとえば、千葉県の地銀は栃木県の地銀の営業エリアには融資をしないもの・・・・・とされています。
ところが、すでに貸し付けをしている既存客に対しては、営業エリアを超えて融資を行うケースがまれにあります。特に新規貸し付けではなくて、借り換えの場合は積極的に行うケースが多いようです。このように、イレギュラーではありますが、融資地域に制限がある地銀であっても他県の物件に融資することがあります。
銀行に借り換えを打診するタイミングは、決算を1期迎えていること、つまり期をまたいで利益が出ている状態の決算書を見せられることが望ましいのです。
また、借り換えの難易度は物件によって大きく変わります。たとえば、築年数の浅いR
C物件を審査スピードの速い、しかし金利は高めの銀行から融資を受けて購入した場合では、別の銀行で借り換えるのは比較的簡単です。
難しくなるケースは、築古の木造アパートです。正直なところ、借り換えはどこの金融機関でもやりにくくなると思います。できないことはないのですが、返済期間は確実に短縮されます。金利が低くなっても、月のキャッシュフローは増えるどころか減ることもあるので、借り換えのメリットを見出しにくくなります。そのため、物件購入時点で、あらかじめ借り換え先を想定しておくことが大切です。比較的、金利の高い銀行をうまく使っている人は先の先を読むような動きができています。
銀行によっては入居率が7割でも6割でも、不動産業者の家賃保証があれば融資を受けられることがあります。それが別の銀行では家賃保証は「ないもの」として扱われ、「入居率が悪い物件」として評価されてしまいます。
なごみの顧客の投資家の方は、これを見越して、北関東の入居率6割の物件に家賃保証をつけて購入後、大幅にテコ入れしてほぼ満室にして収支を改善させてから、別の銀行で借り換えに成功しています。
また先述しましたが、金利交渉とは違い、借り換えにはコストがかかります。ある銀行の場合、解約のペナルティーは、1年以内で2%、3年以内で1.5%、5年超で0.5%と減っていくので、ある程度の期間を借りていると、借り換えにかかるコストも少なくなります。
その点、政府系金融機関は借り換えや繰り上げ返済にも一切のペナルティーがないので、非常に使い勝手がよい金融機関なのです。
さらに気をつけるべき点は、借り換えのタイミングをきちんと考えないと中途半端な規模で拡大が止まってしまう可能性もあることです。
多くのサラリーマン投資家は、高金利といわれる金融機関からの借り換えを希望しています。その気持ちはよくわかりますが、高金利の金融機関からしか借りられない人が借り換えを望んでも、そもそも無理な話です。限られた金融機関しか使えないのであれば、借り換えを考えるのではなくて、限られた金融機関を有利に使っていく方法を検討すべきです。
使える金融機関が複数ある中での借り換えは、現実的ではあります。しかし、繰り返しになりますが、借り換えをするとその金融機関から借りられない可能性が出てきます。今後、物件を買い増やさない方向であれば問題ありませんが、今後も物件を買い増していくためにどの金融機関を使って購入するかは戦略が必要です。借り換えに当たっては、ひとつの物件だけではなくて、自身の不動産投資全体を考えて行いましょう。

連載第十二回は、借り換えや金利交渉、有利な融資の受け方について解説いたします。
「借り換え」や「金利交渉」で収益UPを狙え!

マイナス金利政策によってもたらされた空前の低金利時代、「金利交渉を検討している」、または「他行から借り換えの提案を受けた」というサラリーマン投資家もいるかと思います。交渉が成功するだけで収益アップできる金利交渉や借り換えは、不動産投資には父かせないものです。
初心者向けに簡単な説明をすると、借り換えとは、現在借りている金融機関からより良い融資条件を提示する金融機関へ変えることです。もともと借りていた金融機関に全額返済し、別の金融機関に対して借り入れを起こすことになるため、融資審査は必要になり、借り換えのための手数料もかかります。
一方で金利交渉は、現在借りている金融機関に対して「金利を引き下げてほしい」と交渉することです。融資条件が変わるだけですから、借り換えと違って審査は必要ありませんし、大きなコストもかかりません。
ただし金利交渉は、できる銀行とできない銀行があります。政府系金融機関は固定金利のため、交渉の余地はありません。それ以外の金融機関であれば申し出をしてみることは自由ですし、特にコストもかかりません。まずは金利交渉をしてみて、うまくいかなかった場合に借り換えを検討するといいでしょう。ライバル金融機関から借り換え提案があったことを伝えると、金利の引き下げに応じてくれる銀行もあります。
金利交渉を行うにしても、借り換えを検討するにしても、オーナーがやるべきことは黒字経営です。空室が多いのであれば、まずは埋めることです。空室を解消して収支を改善する。収支を改善してから「金利交渉」をするのがひとつのやり方です。最低でも1年は経営して黒字の決算書を用意し、利益率が低くても家賃保証が付いていればいいという銀行もあれば、だめな銀行もあります。そこは見極める必要があります。
また、新規融資と同様に金融機関によって物件の評価は変わります。耐用年数や構造の関係で融資を受けられない金融機関もあるので、あらかじめ確認が必要です。
一部の地方銀行では、広い営業エリアで融資を行っていますが、基本的には支店のある場所が営業エリアになります。たとえば、千葉県の地銀は栃木県の地銀の営業エリアには融資をしないもの・・・・・とされています。
ところが、すでに貸し付けをしている既存客に対しては、営業エリアを超えて融資を行うケースがまれにあります。特に新規貸し付けではなくて、借り換えの場合は積極的に行うケースが多いようです。このように、イレギュラーではありますが、融資地域に制限がある地銀であっても他県の物件に融資することがあります。
銀行に借り換えを打診するタイミングは、決算を1期迎えていること、つまり期をまたいで利益が出ている状態の決算書を見せられることが望ましいのです。
また、借り換えの難易度は物件によって大きく変わります。たとえば、築年数の浅いR
C物件を審査スピードの速い、しかし金利は高めの銀行から融資を受けて購入した場合では、別の銀行で借り換えるのは比較的簡単です。
難しくなるケースは、築古の木造アパートです。正直なところ、借り換えはどこの金融機関でもやりにくくなると思います。できないことはないのですが、返済期間は確実に短縮されます。金利が低くなっても、月のキャッシュフローは増えるどころか減ることもあるので、借り換えのメリットを見出しにくくなります。そのため、物件購入時点で、あらかじめ借り換え先を想定しておくことが大切です。比較的、金利の高い銀行をうまく使っている人は先の先を読むような動きができています。
銀行によっては入居率が7割でも6割でも、不動産業者の家賃保証があれば融資を受けられることがあります。それが別の銀行では家賃保証は「ないもの」として扱われ、「入居率が悪い物件」として評価されてしまいます。
なごみの顧客の投資家の方は、これを見越して、北関東の入居率6割の物件に家賃保証をつけて購入後、大幅にテコ入れしてほぼ満室にして収支を改善させてから、別の銀行で借り換えに成功しています。
覚えておきたい「借り換え」のデメリット
良いことばかりに見える借り換えですが、デメリットとして、今まで借りていた銀行からは今後融資が受けられなくなる可能性があります。しかし、永遠に貸してくれないわけではありません。銀行にそういった規定はなく、あくまでやり方次第です。たとえば、取引まで何年か間をおく、あるいは決算内容が素晴らしければ、再び融資してもらえる可能性は十分にあります。また先述しましたが、金利交渉とは違い、借り換えにはコストがかかります。ある銀行の場合、解約のペナルティーは、1年以内で2%、3年以内で1.5%、5年超で0.5%と減っていくので、ある程度の期間を借りていると、借り換えにかかるコストも少なくなります。
その点、政府系金融機関は借り換えや繰り上げ返済にも一切のペナルティーがないので、非常に使い勝手がよい金融機関なのです。
さらに気をつけるべき点は、借り換えのタイミングをきちんと考えないと中途半端な規模で拡大が止まってしまう可能性もあることです。
多くのサラリーマン投資家は、高金利といわれる金融機関からの借り換えを希望しています。その気持ちはよくわかりますが、高金利の金融機関からしか借りられない人が借り換えを望んでも、そもそも無理な話です。限られた金融機関しか使えないのであれば、借り換えを考えるのではなくて、限られた金融機関を有利に使っていく方法を検討すべきです。
使える金融機関が複数ある中での借り換えは、現実的ではあります。しかし、繰り返しになりますが、借り換えをするとその金融機関から借りられない可能性が出てきます。今後、物件を買い増やさない方向であれば問題ありませんが、今後も物件を買い増していくためにどの金融機関を使って購入するかは戦略が必要です。借り換えに当たっては、ひとつの物件だけではなくて、自身の不動産投資全体を考えて行いましょう。

有利な融資を受けるカギは「不動産会社」が握る!
物件を買い進めるために大切なのは、融資に強い不動産会社を見つけることです。融資に強い不動産会社は、広く金融機関と継続的な取引をしています。
たとえば、なごみは千葉県内の多くの金融機関と取引実績があります。具体的にいえば、千葉を拠点とする千葉銀行や千葉興業銀行、京葉銀行の3つの地方銀行すべてと取引実績があります。そのほか、複数の都市銀行、信用金庫とのお付き合いもあります。リフォーム事業を行っている関連会社「ピカいち」にも、金融機関の情報が入ります。
加えて顧客へのヒアリングや動向から最新の融資情勢が入り、最近は収益物件ポータルサイトの営業担当者と情報交換をする機会が増え、金融機関に関する情報交換をしています。
やはり最前線で活躍する人や、収益物件を実際に運用している人に話を聞くことは重要です。
もうひとつ大切なことは「特定地域に特化する」ことです。たとえば札幌の物件を扱う会社は札幌地域に強くなければ話になりません。たとえばなごみの場合は、「千葉県を中心とした首都圏が得意」ということになります。
詳しいエピソードは次のコラムにて紹介しますが、金融機関はたとえ同じ銀行であっても、支店によって対応が変わることもよく見られます。
だからこそ、それぞれの金融機関の動向だけでなく、支店や担当者について熟知する必要があります。しかし、こういった情報を個人投資家が把握するのは難しいものです。
そこで、地域に根差した不動産業者の情報網を活用することを提案します。本書の「購入編」で解説したように、不動産業者との頼関係を築くことは物件情報のみならず、有利な融資を受けるための重要なキーになるのです。
次回はミニコラムとして、金融機関の支店ごとの対応の違いについてご案内します。